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ダムは巨大なBCP装置(4) 建設機械

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ダムは巨大なBCP装置(4) 建設機械

ダム需要で建設機械(建機)が発展

日本は世界規模の建機メーカーをいくつも有する建機先進国です。 建設機械とは重機を含む土木機械のことで、ブルドーザーやパワーショベル、ダンプカーなどのことを言いいます。

そのメーカーが日本に誕生した背景には日本が多数のダムを早急に必要としていた当時の事情があったと思います。ダムが作りたくても機械がなければできない。それなら自分たちで機械を作ろうということになったわけです。

ダム建設は川を堰き止める前に先ずは迂回の川を作り、資材を運ぶトラックが通れる道やトンネル、橋を作り、電気を通し・・・・など、大規模な時間のかかる前段階の工事が必要です。本工事を含め、その膨大な工事を一気通貫で行うために優秀な建機は必須でした。

当時、建機を輸入に頼ることもできたと思いますが、日本はそうはしなかったんです。奥深い山の中で建機が故障した時、輸入機械では直ちに修理、復旧ができない。また日本の岩盤や地質、地形に合ったマシンのカスタマイズも外国製品では難しい。自前で作ることは遠回りのようですが、高性能で費用も抑えられて、そして安心でした。

ダムは治水、灌漑用水、工業用水、飲料水の確保、また水力発電に寄与することが第一義ですが、他方、ダム・プロジェクトは国産建機の開発と発展にも決定的な貢献をしたんです。ちょっと専門的ですが、駆動エンジンと歯車、その制御装置、旋回軸受け、潤滑とシール、刃物、鋼板、溶接、強度や応力・振動の解析など、様々な要素技術の開発と製造技術が必要でした。

建機製造が獲得したそのノウハウは文字通り、その後の日本の製造業発展の礎を築くことになりました。日本製の建機でダムを作った実績があったからこそ、新幹線(モーターと変速機、車両、線路、トンネル、橋梁)も作れたのでしょう。今の自動車産業もしかりです。
日本の製造業はダム発、建機けん引と言えます。

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