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マエストロ
カラヤンという名前はクラシック音楽に詳しくない人でも聞いたことがあると思う。
正式にはヘルベルト・フォン・カラヤン。オーストリアの指揮者。
私が初めて聞いたクラシック音楽はヨハン・シュトラウスのワルツ、美しき青きドナウだった。
カラヤン・ポップス・コンサートというドイツ・グラモフォンの2枚組のレコードに収録されていた。
値段は3,500円。当時中学生の私には高価だったけれど、音楽も音質も最高ということで小遣いを貯めて買った。
私は小学生の頃からラジオ作りが好きだった。中学になるとオーディオ(当時はステレオと言った)が好きになり、プレーヤーも真空管アンプもスピーカーも小遣いを貯めて全部自作した。あのカラヤンを聴くために作った。
自作ステレオはカラヤンのレコードを聴いて改造を繰り返した。音は改造のたびに良くなった。自分で作ったステレオで聴くカラヤン指揮ベルリンフィルのドナウは格別だった。
たまたま、近所の友達の家に10万円くらいするビクターの本格的なステレオがあったのでよく聴かせてもらった。
ある日、そのカラヤンのレコードを友達の家に持って行き、音の聴き比べをさせてもらった。
ビクターの方が断然、音が良かった。
憧れのビクター。今はもうない。憧れのマエストロ、カラヤン。今はもういない。