resilience
EVは年を取る
経年劣化するバッテリー
一時はブームだった太陽光発電パネル。いつまでも同じ性能で売電できると思った人、沢山いたと思うけど、電気製品には例外なく経年劣化がやって来る。20年も経つと2~3割はパネルの発電量が下がる。パワコンとそれにつながる電路も傷む。電気製品だから仕方ない。
EVも4つのタイヤの付いた電気製品みたいなものだから同じです。モーターの寿命は相当長いけど、バッテリー(リチウムイオン電池)は10年で2~3割は蓄電容量が下がる。野球の「バッテリー(ピッチャーとキャッチャー)」と同じ由来で、EVもバッテリーが良くないと調子は落ちる。
ところがガソリン車なら、パワートレイン(エンジンやトランスミッションなど駆動系部品群)は10年経っても補修や部品交換で初期性能は維持できる。これが機械製品のいいところ。
でもEVの場合、年を取ったバッテリーを新品に交換するには大きな費用がかかるので所有者は容量の下がったバッテリーを積んで走るしかない。蓄電容量は落ちてもバッテリーの重さは変わらないのでEVのペイロードは落ちる。つまり、航続距離は下がっていく。それを少しでも上げるには、運転中の夏のエアコンや冬の暖房を節約するしかない。特に暖房用のヒーターは大量の電気を消費する。だから冬でも暖房を切り、防寒着でEVを運転するという人が実際にいる。笑えない現実。